本體楊心流柔術

 第十九代宗家

井上 恭一

〒663-8233

兵庫県西宮市津門川町12-15

■ 電話(0798)35-1100

  井上 恭一

由来

 本體楊心流開祖、高木折右衛門重俊は、寛永十二年に奥州仙台藩白石城主・片倉小十郎の家臣であった稲飛(稲富とも)家の次男として生まれ、無刀流小太刀及び鏡智流槍術などを学び、父の戒めの言葉であった「楊木は強く、高木は折れるぞよ」との言葉にちなみ、楊心流高木折右衛門と名乗ったという。折右衛門は剛力で有名であり、旧白石領内にも、折右衛門に関する伝説が遺されている。
 二代は高木馬之輔重貞で、若くして折右衛門の後を継いだが、自らの未熟を悟り、竹内流に入門して修業を重ね、体格や力に頼らない体術を工夫して、本體楊心流高木流と称するようになったとされる。馬之輔は作州森家の秘蔵の家臣で、折右衛門と同じく大刀で有名であった。
 三代目は高木源之進英重で、播州姫路藩本多家に仕え五百石を受けた。この時に第四代を継いだ、大国鬼平重信の開創した九鬼神流棒術が併伝されるようになり、幕末まで赤穂藩に相伝した。高木折右衛門から、ここに至る間には、槍術の高木流(無関流・格外流とも)など多くの分派を生み、播州のみならず、各地にも流伝した。
 この後、第十七代皆木三郎により、さらに研鑽工夫が加えられ、第十八代井上剛宗俊、次いで第十九代井上恭一宗教に引き継がれた。

系譜

初代高木折右衛門重俊-二代高木馬之輔重貞-三代高木源之進英重-四代大国鬼平重信-五代大国八九郎信俊-六代大国太郎大夫忠信-七代大国鬼兵衛良定-八代大国与左衛門良貞-九代中山甚内定秀-十代大国武右衛門定信-十一代中山嘉左衛門定賢-十二代大国鎌治英俊-十三代八木幾五郎久嘉-十四代石谷武甥正次-十五代石谷松太郎正治-十六代角野八平太正義-十七代皆木三郎正教-十八代井上剛宗俊-十九代井上恭一宗教

流儀の特徴

 柔術・棒術・小太刀術の三本柱を中心とする総合武道である。当流の特徴は、おおむね技が簡素で虚飾がなく、直接的・効果的な技術である点にある。
 徒手でも、あるいは得物を持っても同様の体捌きで敵の攻撃に対応することができ、柔術六法(逆・投・締・当身・捕付・活)により、いわゆる「活殺自在」の境地を目指すものである。

伝承されている伝書

 初伝の許、中伝の許、奥伝の許、免許皆伝の巻、龍巻の巻、秘伝九字十字の巻

活動状況

各種武道大会での演武を中心に、海外指導にも力を入れており、国際大会実施の実績もある。現在海外八カ国に公認支部・準支部が設置され、毎年巡回指導にあたっている。

●稽古場及び支部
 ▽本部道場(今津武道会道場)
 〒663-8233
 西宮市今津出在家町10-5 今津南市民館
 電話(0798)22-4892
 ※本部道場では原則として月曜を除く毎日稽古を行っている。その他、第一・第三月曜日は大阪梅田・毎日文化センター講座。兵庫県立武道館(姫路市)で、文化庁委嘱事業の伝統文化こども教室として「姫路藩古武道」(姫路藩古武道保存会企画)を実施している。
 ▽国内支部 兵庫県姫路 兵庫県三木 熊本県山鹿 大分県
 ▽海外(八カ国) アメリカ・イギリス・イタリア・オーストラリア・カナダ・フィンランド・ベルギー(以上支部) エストニア準支部
●文化財指定 なし
柔術奥の形柔術奥の形