示現流兵法剣術

 第十三代宗家

東郷 重賢

〒892-0842

鹿児島県鹿児島市東千石町2-2

■ 電話(099) 226-1233

■ 示現流兵法剣術 ホームページ

   http://www.jigen-ryu.com/

  東郷 重徳

由来

 示現流兵法は、東郷藤兵衛肥前守重位を流祖とする薩摩独特の兵法で、今日においても鹿児島県の精神文化に強い影響を与えている。
 流祖・重位は、初め当時藩内で行われていた待捨流を学び、二十数歳でその極意に達した。その後、天正十五年(一五七八)第十六代大守島津義久公に従って上洛した際、天真正自顕流の奥義を極めた京都天寧寺の善吉和尚と邂逅し、強いて教えを請い、修行すること半年有余、奥義の相伝を受けたときが二十八歳であった。
天正十七年薩摩に帰った重位は、屋敷内全部の木を打ち枯らすほど心技を練ること三年、待捨流と天真正自顕流の精髄を総合渾和して編み出したのが「示現流兵法」。
 重位四十四歳のとき、第十八代大守家久公より、薩摩藩の剣術師範役を命ぜられ、家久公は重位を師として、示現流の奥義を極められ、また歴代の大守も示現流の奨励に努められた結果、薩摩士風の振興に貢献するところとなった。
 さらに第二十七代大守斉興公は「御流儀示現流」と称するよう命ぜられ、門外不出とされた。
 以来四百余年、時世に迎合せず当初そのままの姿で一子相伝され、歴代の古文書(県指定有形文化財東郷家文書)と共に、現代第十二代宗家東郷重徳に伝承されている。
 平成七年に示現流の正確な伝承、振興を期するため、「財団法人示現流東郷財団」が十一代宗家重政の遺志を奉じて設立され、十二代宗家重徳が理事長に就任、示現流の保存、普及に情熱を傾けている。また、平成九年五月一日に示現流兵法所並びに史料館が完成、これまで門外不出とされ非公開となっていた歴代古文書などが一般にも公開されるようになった。

系譜

流祖・東郷藤兵衛肥前守重位-重方-重利-実満-実肪-実乙-実位-実明-重矯-重毅-重政-重徳-重賢

流儀の特徴

示現流は「一太刀の打ち」といわれる。一太刀の激しい攻撃がそのまま防禦を兼ね、先を制す。何事を行うにも生死一如の真剣な境地を養うべく、古来生死の境の中でも真剣に行じてきた人たちの「業の集積」「心の集積」として伝承されてきた形を稽古することにより、強靭な肉体と精神の鍛錬に努めるのが目標。

伝承されている伝書

 一 示現流直伝書巻 一、二、三
 一 兵法書
 一 示現流燕飛の次第
 一 東郷家古文書(鹿児島県指定有形文化財)

活動状況

毎年五月二十五日に行われる薩摩義士頌徳祭や、戊辰の役戦没者慰霊祭をはじめ、各種記念式典での奉納演武、日本古武道大会、鹿児島県古武道大会など各種古武道大会への参加。夏休みなどにおける示現流体験教室の開催など。  当流は現存している古武道の中で、創流当時の姿が正確に伝承されている貴重な古武道で、県指定有形文化財の東郷家文書は、平成五年、重位没後三百五十年を記念して東郷家の協力により「示現流兵法・史料と研究」として鹿屋体育大学より刊行され、また「かごしま文庫」でも同大学村山輝志教授により紹介されている。

●文化財指定
 東郷家古文書(昭和三十四年第三十九号鹿児島県指定有形文化財)
 所蔵=示現流東郷財団
立木打ち立木打ち 段の打ち段の打ち