陽流砲術

 第十六代家元

尾上城由江

〒812-0044

福岡県福岡市博多区千代4-3-15

■ 電話(092)641-4504

  尾上城由江

由来

 九州筑前国五十二万三千石の福岡城主黒田氏の家臣阿部家に伝えられた砲術で、藩外不出黒田藩のお留め流として伝承された武術。黒田如水公の鎧の胴中紋の日輪紋を流印として「陽流」と定められた。尾上家家宝の御判物「如水・長政・忠之」からも明らかなように、藩中の名家。先祖は、村上源氏具平親王の後裔赤松氏より出ている。
 初代尾上右京之亮可親は、和泉国岸和田の城主岸則虎の嫡子播磨国を領していた関係から、尾上の姓を称した。黒田氏に仕えて軍功を上げ、その子武則は黒田を称することを許された。特に鉄平友睦は砲術に長じ、阿部家により、その秘伝と大筒の伝授をうけ、代々伝承されている武芸。尾上家秘蔵の大筒には「天正十八年泉州阿部高吉作」の銘がある。現在射手は家元尾上大筒城由を中心に先代の門人及び現主の門人数人に限られている。

系譜

初代・尾上右京之亮可親-藤太夫可保-九郎太夫可正-作之進可成-藤太夫可直-彌蔵可次(黒田綱之公の息女を嫁とする)-九兵衛可勝-作之進可寛-彌蔵可成-新之丞可敏-新之丞可徳-駒次郎(後改め九郎平)-鉄平友睦-右之亮-城祐(大筒城祐)-城由江(大筒城由)

流儀の特徴

陽流砲術即「心眼掌一致」、心と目当と手の内とが一体となって働くことの要を説き示したものである。「陽流砲術教歌巻」に指示がある通り、「しめ所両手一眼心意気 目当に星ののくは引金」、「引くというな心に知らば指も知り まなこも知ればつつも知りぬる」。
 常に作法を重んじ厳正な射技を行い、場所の状況により大音を発して、敵の戦意喪失を生じさせる。また人馬殺生には散弾元を使用。城門破壊、橋梁の爆破等々。

活動状況

日本全国各地区、ただし火薬使用可能の公安委員会の許可のある場所で射技の公開をなす。年間実施回数は日本武道館をはじめ九回〜十回の実地射技を行っている。

●稽古場及び支部
 ▽練砲館砲術道場
  〒812-0044 福岡市博多区千代4-3-15
●文化財指定 昭和三十七年四月十五日 福岡県無形文化財指定
陽流一の型「たちはなし」陽流一の型「たちはなし」 陽流三の型「ほほつけ」陽流三の型「ほほつけ」